ならずものになろう

少しは教育について話してみたくなりました。書き続けて考え続けてみたい。

ならずものになろう

これから教育を目指そうとする受験生へ

marist college,ashgrove

今日は立冬。そうして冬が深まるとあっという間に入試が始まる。

受験生にとってはいよいよ自分の進路選択に決着をつける時期でしょうか。そんな受験生に向けて、特に教育の道に進みたいという高校生に思うところを書いてみる。

自分の目に届く範囲の生徒を見ていて思うことを述べるだけで決して受験の役に立つような話ではない。というか、ネットを見ている暇があるなら勉強しろ、受験生。

そんなわけで、自分の思うことを考えておこうと思う。

妥協してはいけない

学びたい大学があるならばその大学に入ることにとことんこだわらないとダメである。結果的に教員免許を取ることは難しくない。でも、教員免許を取って教員採用試験に合格することには一つ壁がある。

今、ここで頑張れないのに、採用試験でやり直すことはそうそう簡単なことではない。

絶対に、行きたい大学にいって、自分のやりたいことをとことん追求すべきなのだ。

本当にやりたいことであれば、あとからだって取り返せる。だけど、遠回りするよりも一直線にやりたいことができるところを目指した方が、結果的に長くやりたい教育を実践できることにつながるのだから、遠回りを簡単に考えない方がいい。

少しでも偏差値が高いところに行きたい?別に普通の学部でも免許は取れる?

教員採用試験は難関の試験ではないけれども、案外、採用試験の一発合格は多くない。そういうことを理解しているなら教員養成課程以外の大学でもいいかもしれないけど、それに伴う苦労を理解していないなら、もう一度よく考えたほうがいいかもしれない。

高校の教員は安易に「免許が取れるからこっちでいいだろ」という言い方をするけど、免許が取れたその先まで考えているかは怪しいよ。

教員養成課程はいいところだよ

自分は教員養成課程出身なので、よく僻んだことを漏らしているけど、教員養成課程は教員を目指すならいいところだよ。見た目の偏差値やネームバリューに騙されてはいけないよ。

こういう言い方をするのも僻みくさいのだけど、事実として教員採用試験の採用率を見ると私立出身者のよりも国立の教員養成課程のほうが二倍近く例年高い。これが正規採用率について見ていくと、兵庫教育大学などでは6割以上であるのに対して有名私大でもそれほど正規採用率は高くない(無数にある私大をひとくくりにはできないけど)のです。

もちろん、校種によっても状況は変わる(小学校のほうが教員養成課程以外は厳しく、中高のほうが若干緩和される傾向にある)が、それでもちゃんと教員として働くことを目指すなら教員養成課程がよいと思いますよ。

教員養成課程って一般企業への就職などは恐ろしく厳しくなるので、それこそ一部の勘違いを除けば、教員になりたいという覚悟が決まった人が多いので、勉強の環境としてもいいのです。

それに、教職大学院に進もうとしたときに、やはり一般の学部から受験勉強をして……というのは、大学入試の勉強よりも却って面倒なことにも……。

教育学部でいい仲間を見つけてください

変な奴はいっぱいいますが(経験談)、教員養成課程に集まる人間は基本的にお人よしです。また、募集定員が極端に少ないので、友人関係も親密です。

同じように学び、同じように教員になるので、大学を卒業した後も色々な相談相手になってもらえる、非常によい仲間を見つけることができるのです。

なお、教員養成課程のある大学は「附属学校」を持っているため、そこで教育実習になることは多いと思います。これが中々、という思いっきり、というか容赦なく厳しいので、この恐ろしい経験を共にした仲間とは仲良くやっていけるものです。

また、教育学部には現職の教員が研修に来ることや大学院に再び学びに来ることなどがあるため、学生だけに閉ざされている他学部とはちょっとだけ空気が異なる部分があります。

異なる年齢やバックボーンをもった集団の中に、身を置くことができるのも教員を目指すうえでは大切なことです。

教育は大変だよ、覚悟は良い?

手に職…程度で教員を目指すのはおススメできない…と思う。理由は単純に労働環境が良くない。昨日も書いたけど、教育をめぐるカネは削られつつある。  

s-locarno.hatenablog.com

部活動の問題はなくならないだろうし、どうしたって長時間労働はなくならない。

小学校英語やアクティブ・ラーニングやプログラミング教育などをどうしたらいいのか皆目見当がつかないことを丸投げされて忙殺されていくだろうし、教員免許だって自腹の更新制。

何が楽しくて優秀なのに教員をやるってんだ?

「でもしか」教員なんていうけど、最近の教員採用試験の合格率は決して「でもしか」なんて言ってられない。

覚悟を決めないと、本当に辛くなる仕事である。

それでも教員をやりますか…?個人的には教え子を教員にさせないほうが幸せにしてやれるという気もしている。

それだけに……だからこそ。

それだけの覚悟がある人なら、楽しい仕事を一緒にできると思う。ほんとに。

そんな人、お待ちしています。

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