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ならずものになろう

少しは教育について話してみたくなりました。書き続けて考え続けてみたい。

振り返りに便利な「大福帳」その3

シリーズ「大福帳」の三回目です。

今回は、授業後の処理と考査ごとに生徒に行わせている「大福帳まとめノート」について書いていきます。 

s-locarno.hatenablog.com 

「大福帳」とは何か。どんな狙いがあるのかを簡単に書いた一回目。

s-locarno.hatenablog.com

授業前の準備や授業中の運用について書いた二回目。

授業後の大福帳の処理

さて、授業時間の1割を割いてまで書かせた大福帳ですが、自分は授業ごとに回収し、次回の授業までに点検するようにしています。

大福帳に限った話ではありませんが、生徒に何かを書かせた以上はそれをきちんと評価する責任が指示した側にはあると思っています。

もちろん、「評価」といっても、すべてに丁寧なコメントをつけることだけが評価ではないと思います。それをやってしまうと仕事がパンクしますし*1

しかしながら、生徒に毎回、苦労して大福帳を書いてもらっている以上は、何かしらのルールを決めて、フィードバックをすることは必要だと思っています。

そのため、以下のように、自分にとって負担がないようにルールを決めて、管理するようにしています。

運用上のルール①

基本的に、毎回の大福帳については、目を通し、検印を押すだけとする。コメントの良し悪しについての評価も行わない。

運用上のルール②

教員からの大福帳へのコメントを希望する際には「コメント希望」の旨を書いてもらう。「コメント希望」の生徒の大福帳に対しては、時間をかけて必要なコメントを書く。

運用上のルール③

上手に授業をまとめたコメントや個人的に面白いと思ったことについては、アンダーラインを引いて、「ここはいいね」という意思表示だけする。

運用上のルール④

質問や疑問については、必要性のあるものはコメントする。場合によっては、「もう少し考えてごらん」という反応を示し、安易に頼らせない。

運用上のルール⑤

こちらから「このお題で書いてほしい」と指示したものは、コメントをつけたり回答一覧プリントを配布したりするなどして、フィードバックをする。

 

と…以上のような基本原則で運用することを生徒にもあらかじめ提示しておきます。

ただ、実際のところ、大福帳を導入してしばらくは、生徒の意欲を引き出すためにも、かなり丁寧にコメントをつけるようにしています。

また、アンダーラインを引いたり、「?」や「GOOD」と書くようなことは、結局、全員に対して毎回やっているような気がします。

もっというならば…結局、自分が楽しくなって、生徒全員に対してコメントを書いてしまっているのですが、現実は(笑)

ただ、実際問題として、時間のない時期はあります。そういうときにも、ちょっとしたアンダーラインや記号を書くだけでも、生徒はかなり一生懸命その意味について考えたり喜んだりしてくれるので、コメントを書かないとしても、「ちゃんと読んでいるよ」というメッセージは伝えないとダメかなぁと思っています。

大福帳まとめノートの作成について

自分は、溜まった大福帳をノートに貼らせて、考査ごとに学習についての振り返りノートを作らせています。

一回の考査までの期間で、だいたい4枚から5枚程度溜まるため、その間の自分の考えの変化や身につけた国語の能力について考えてもらおうと思っています。

これは、大村はま先生が実践されていた学習記録*2に近いものを、指導力がない自分のような教員がやれないかなぁと思って考えたものです。

大村教室の学習記録は、それこそ「ノート」や「学習に用いた資料」まですべて整理し、振り返りを書くなどさせているわけで、非常にボリュームがあり質の高いものですが、その分、相当に指導が行き届いていないと実践は難しいものです。

ですから、自分はもっと手軽に振り返りができないものかと思い、以下のように大福帳ノートの作成を生徒に指示しています。

大福帳まとめノートの作成の方法

  1. 授業で書いてきた大福帳を「まとめノート」に貼りつける
  2. 自分の書いてきた大福帳を読み直す。
  3. 大福帳を読み、自分がこの期間でどんな学習を行ったかをノートに書く。
  4. 大福帳を読み、考査に向けて自分の学習課題を考えてノートに書く。
  5. 別途、配布した「振り返りシート」を記入してノートに貼る。
  6. 「あとがき」として、その期間に勉強したことの感想や考えたことを書く。

こうやって書き出してみると結構面倒なことをやらせているな(笑)

狙いとしては以下の通りです。

  1. 自分が継続的に書いてきたものの量の多さを実感してもらい、文章を書くことに対して肯定的な感情を持ってもらう。
  2. 大福帳を読み直してもらって、どんな勉強をしてきたかを思い出してもらったり、その時、できるようになったことを確認してもらったりしてもらう。
  3. 「国語は勉強の仕方が分からない」だとか「国語は力がついているか分からない」だとか言われやすいため、「まずは自分の言葉で何をしているか」を認識できるようにする。
  4. 大福帳で言い足りないことを徹底的に言ってもらう(笑)

ちょっと欲張りな感じもしますが、実際は、1と4についてを重視して運用している感じです。

特に1については、継続的にやってきたからこそ、ある程度まとまった量の文章となっているので、「文章を書くのが苦手だ」「文章を書くのが嫌いだ」というような生徒にとっては、「これだけたくさん書いてきたのか」ということを自信を持ってもらうのに良い機会になっています。

極端な話、別に指示している項目が書けなくてもいいのです。結果的に自分がちゃんとまとまった文章をちゃんと書けているという実感を持たせることができればよいのです。

なお、この大福帳まとめノートについては、そのような意図でやっているので、かなり時間がかかるのですが、生徒一人一人に対して丁寧にコメント(このようなことがよかった、こんな観点もあるよねといったような内容)をつけて返すようにしています。

まとめ

大福帳にしてもまとめノートにしても、とにかく書くことの経験値を増やしたいということと書いたことに対して自信を深めてほしいということに基づいて運用しています。

本当は、「やったらやらないよりもマシ」というような程度の考えではなく、もっと効果的・効率的に運用したいと思うのです。効率的であれば、より負担を少なく、色々な指導もできるので。

文字で書いてもわかりにくい点も多いかと思いますので、何か疑問点があればコメントをください。

*1:実際、実習生に大福帳の点検やコメント付けをお願いしたら、どのくらいの配分で回していいのか見誤ってパンクしていました(意図的に、何も言わないで苦労してもらったのです。実際、何でもかんでもやろうとしたら回らなくなるという経験。もちろん、フォローしているからブラックじゃないですよ!!)。

*2:詳しくは、『大村はま国語教室12 国語学習記録の指導』を参照。

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